
夫・宏基と別居中の弓子は、アパートの隣人・楓と時々一緒に食事をする仲だ。別居後すぐに宏基は失踪したのだが、ある日義理の母から、故郷の島で宏基を見かけた人がいる、という話を聞かされる。執拗に言い寄ってくる社長がいやになり会社をやめた楓と、職探し中の弓子は、気分転換と休息を兼ねて島への旅に出ることにした。女二人の旅の行く末は――。
面白くて、最後までばーっと読んだ割には
最後までずっと、ふたりのどっちがどっちだかわからなくて
混同したままだった。
私が悪い。
本は悪くない。
いいなー。こんな隣人。
奇跡だよね。
「一緒にいて死んじゃうくらいなら別れたほうがいいのよ」
P.20
「おばさんってなんでこんなにずけずけものを言うんだろう、と子どもの頃思ってたんだけど、あれは弓子の言うフィルターが加齢とともに破れかぶれになった状態なのかもしれない、と今思った」
P.45
それにこのお菓子はたぶん、生きている限りいつまでももらえる類のものではない。だから食べられるうちに、食べておく。
p.51
でももう、それでいいや、と思った。それがいい、とも思った。あたしはたぶん死ぬまであたしのままだ。お葬式で「個人は立派な人でした」と言ってもらうためにいきてるわけじゃない。
p.212
ひとりだ、とまた思う。夫婦だって、友だちだって、一緒にいるだけで「ふたり」という新たななにかになるわけではなくて、ただのひとりとひとりなのだ。
p.220
