いつか月夜/寺地はるな


会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。
特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。
そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわした。
中学生くらいみえるその連れの女性は、塩田さんの娘ではないという……。
やがて、何故か増えてくる「深夜の散歩」メンバー。
元カノ・伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人・松江さん。
皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。
いつも月夜、ではないけれど。

結局は人との繋がりなのかなぁと思わされる一冊でした。
とにかくそこを苦手とするワタシに取っては、
耳の痛い話ではありつつも、
こんな人たちが周りにいてくれるならば、
どんなにありがたい事だろうとも思った。

適度な距離感ていうのは
決して興味がないわけではなくて
勝手に踏み込まないことや
自分の見たことだけを信じられること
その距離感を「相手への尊重」として保てること。

何かあれば躊躇わずに手を差し伸べるけれど
勝手に聞き出そうとしないこと。

そして、その人のためならスッと手を離せること。

それってすっごく難しいことだよなー。

「わたしなんか、もう何者にもなれないもんね。でもね、何者かにならなければならないというプレッシャーもない。ピアニストになれるわけじゃないし、って母は言ってたけど、じゃあ今のわたしは自分の楽しみのためだけにピアノを習える。それって、意外と悪くないよね。可能性が少ないって、もう何者にもならなくていいて、自由だね」

それから
大人になるって、何者にもなれなくなることなんだって
子供の頃は思いもしなかったなーって。

実際はそんな事もないし
今の時代なら尚更だけど

でも

周りからの期待値がないことや
何者かにならなくても楽しむためだけにやることって
大人になった特権なのかもしれない。

若さと引き換えに。
代償はでかいじゃん!って気はするけど。

ここにラッキーじゃん!って思うには
ワタシにはもう少し時間が必要かもw


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